2019年7月19日に公開され、大ヒットした新海誠監督のアニメ映画「天気の子」。
この作品は、同じ新海誠監督作品の「君の名は。」と繋がりがあるのではないか?と思わせる展開が多々あります。
その理由は瀧・三葉など同じキャラクターが複数登場しているためといわれています。
そうなると気になるのは「天気の子」と「君の名は。」の時系列がどうなっているのかですね。
今回は「天気の子」「君の名は。」の時系列や登場人物の繋がりやキャラクターのその後について考察します。
※注意※ この記事には「天気の子」「君の名は。」のネタバレを大量に含みますのでご注意ください。
「天気の子」「君の名は。」の時系列の繋がりは?
「天気の子」の舞台は2021年の雨が降り続く東京。一方、「君の名は。」は2013年の世界からスタートしています。
両作品のそれぞれの時系列と展開を表で対比してみました。
年 | 月日 | 「君の名は。」の展開 | 「天気の子」の展開 |
2013 | 9/2 | 瀧と三葉が最初の入れ代わり | |
10/4 | ティアマト彗星が三葉の住む糸守町へ落下 | ||
2016 | 10月 | 瀧が“2013年10月4日”の糸守町へ飛ぶ | |
2021 | 6月 | 東京の雨が降り始める | |
8月 | 帆高と陽菜が出会う | ||
帆高が瀧・三葉と出会う | |||
帆高が陽菜を救助(=世界の在り方を変えてしまう) | |||
12月 | 雪の中、瀧と三葉がすれ違う | ||
2022 | 4/8 | 瀧と三葉が再会「君の名前は?」 | |
2024 | 3月 | 帆高が水没した東京を再訪、陽菜と再会 |
※「君の名は。」終盤の時系列は、就活中の瀧のスケジュール帳の日付から。
※瀧と三葉が再会した2022年4月8日は、コミック版「君の名は。」で判明。
※「天気の子」時系列は劇中のSNSの画面で確認可能。
上記のように、「君の名は。」と「天気の子」の時系列が連続して繋がりがあると考えることができます。しかも、2021年8月には、「天気の子」の作中で帆高が瀧と三葉に出会うシーンが描かれていて、2つの作品の世界に繋がりがあるように感じられますね。
しかし、2作品の世界の間には“天候”という矛盾点があります。
帆高と陽菜が過ごす2021年の8月は、東京で72日間連続の雨が降っている異常気象の真っただ中です。
陽菜が人柱として天空に昇れば、世界の天候を元に戻すことができるのですが、帆高が陽菜と一緒にいることを望んだことで、陽菜は地上に戻ってきてしまいます。帆高と陽菜の選択の結果、世界の在り方が変わり、再び雨が降り続くようになってしまいました。
もし「天気の子」と「君の名は。」が同じ世界で繋がりがあるのであれば、瀧が東京で就活中の2021年冬も、異常気象の真っただ中のはず。しかし、雪が降っているシーンも、特に雨などが降っていないシーンも両方あります。
さらに2022年4月に瀧と三葉が再会するシーンでは、綺麗な晴天です。
一方、帆高と陽菜と陽菜が再会する2024年の東京は、3年間雨が降り続いているという状況です。
このため、「天気の子」「君の名は。」の世界が全く同じではなく、パラレルワールドのような別々の世界という可能性も考えられます。
「天気の子」「君の名は。」のキャラの繋がりは?
「天気の子」には、瀧と三葉のほかにも「君の名は。」のキャラクターが複数登場していることでも話題になりました。
「天気の子」の瀧
お天気お届けサービスの仕事が殺到し、休業を決めた帆高と陽菜。最後の依頼主「立花冨美」という老婦人のもとに瀧が訪ねてきます。
この「立花冨美」さんは、「君の名は。」では瀧の祖母として登場しているので、ピンときた視聴者も多かったようです。
陽菜がもうすぐ18歳の誕生日を迎えることを知った瀧は、帆高へ「誕生日プレゼントを用意しなきゃ」とアドバイスしています。
「天気の子」の三葉
「君の名は。」では、瀧の時空を超える活躍で彗星落下災害から生き延びた三葉。
瀧のアドバイス通り、陽菜の誕生日プレゼントを買いに来た帆高。帆高が訪れたアクセサリー屋さん「MocA-Tokyo新宿ルミネ店」の店員が三葉でした。
あの赤い組みひもを髪につけており、名札には「Miyamizu」と刻まれています。プレゼントを悩んでいた帆高へ、「3時間も迷ってたもの。私だったらすごくうれしいと思う。きっと喜んでくれますよ」と背中を押しています。
「天気の子」でのその他「君の名は。」キャラ
・テッシーとサヤちん
「君の名は。」の終盤、2021年冬に婚約したテッシーとサヤちん。彼らは「天気の子」にも恋人同士の姿で登場しています。
帆高と陽菜、弟の凪が最初にお天気サービスの仕事をしたお台場の観覧車にテッシーとサヤちんが乗っています。
・四葉
三葉の妹、四葉は一瞬だけ登場していて、見つけるのが難しいです。
陽菜が「人柱」となって空が晴れていくシーンで、晴天を見上げて空を指さす女子高生の一人が四葉です。
「天気の子」の世界で瀧・三葉のその後は?
瀧・三葉が登場し、時系列に繋がりがあるものの、天候が矛盾している「君の名は。」と「天気の子」。
もしも、2作品が完全に繋がりがあったとしたら、瀧と三葉はいったいどうなってしまうのでしょうか。
上記の通り、「君の名は。」のラストで瀧と三葉が再会したシーンは晴天でしたが、「天気の子」の世界のその日は雨が降り続いているはずです。そのため、瀧と三葉の再会は成り立たなくなってしまう可能性が高いです。
瀧と三葉が帆高を後押ししたことで、帆高と陽菜の絆が深まってしまい「人柱」から降りてきてしまった…と考えると、とても切ないです。
ちなみに、小説版の「天気の子」の終盤、2024年の水没した東京で帆高が立花冨美さんの家を再度訪ねるシーンがあります。
そのシーンでは部屋にいくつか写真が飾られている描写があり、その中に「お孫さんの結婚写真」があります。このことから、2024年には瀧がすでに結婚していることが考えられます。
結婚相手については描写されていないので、前述のように「天気の子」の世界では瀧と三葉の再会が成り立たないことを考えると、瀧が結婚したのは三葉とは別の女性の可能性もあります。
「君の名は。」のあの感動的なラストは、帆高と陽菜が再会せず、陽菜が「人柱」となった世界線での出来事なのでしょうか…。
やっぱり新海誠監督作品は奥が深すぎますね!
まとめ
「天気の子」と「君の名は。」の繋がりを考察してみました。
同じ監督、さらに同じ男女ペアで対になるようなビジュアルから、公開前から何かしら繋がりがありそうと予想されていた2作品。しかしその繋がりについて真面目に考察すると非常にもの悲しい結末となってしまうのがわかりました。
その点も含めて、2作品が長く人気を博す理由の一つとなっていますね。