一年間の行事の中のひとつに「お彼岸」がありますよね。
連休になってうれしいですが、お彼岸は何をするための時期なのでしょう。
お墓参りに行ったりおはぎを食べたり…由来を知っていますか?
また、一年のうちに春と秋に2回お彼岸があるのもなぜなのか気になりますね。
今回は、一年のうちいつからいつまでをお彼岸というのか、お墓参りをしたりおはぎを食べ、お供えする理由を調べました。
お彼岸って何?
まずは、そもそもお彼岸はどうしてできたのか、どんな意味や由来があるのかご紹介します。
「お彼岸」の言葉の意味・由来
「彼岸」という語は、インドや南アジア・東南アジアで使われているサンスクリット語に由来しています。
サンスクリット語の「パーラム」という言葉が元になっており、迷いの世界から悟りの世界へ至るという意味があります。
迷いの世界とは私たちが生きている現世のことで、彼岸の対義語として「此岸(しがん)」と言われることもあります。
その迷いの世界から旅立ちたどり着く先が悟りの世界であり、仏様のいる「彼岸」なのです。
この悟りの世界、「パーラム」へ行くということを「パーラミター」と言い、彼岸に渡るための修行を指しています。
これが仏教用語で「波羅蜜多」とあらわされるようになっています。
お彼岸は仏教が元になっているものですが、インドなどのほかの仏教国では、お彼岸の時期に先祖をしのぶ行事は行われておらず、日本独特の行事となっています。
仏教の浄土思想において、極楽浄土ははるか西のかなたにあると信じられています。
年に2回、春分の日・秋分の日のみ、太陽が真西に沈みます。
その太陽を礼拝することで極楽浄土を臨むことが、お彼岸の行事の始まりと言われているのです。
お彼岸はいつからいつまで?
お彼岸の時期がいつからいつまでなのか、カレンダーには書いてありませんよね。
どうやって確認したらいいのでしょうか。
お彼岸は、春と秋の年2回があります。春分の日・秋分の日を中心(中日)として、それぞれ前後3日間を合わせた7日間がお彼岸となります。
2020年のお彼岸は以下の日にちとなっています。
春の彼岸:3月17日~23日(春分の日は20日)
秋の彼岸:9月19日~25日(秋分の日は22日)
お彼岸の期間のうち、春分の日・秋分の日の3日前にあたる初日を「彼岸入り」、お彼岸の終わる日を「彼岸明け」と言います。
春分の日・秋分の日は彼岸の中日(ちゅうにち)と呼ばれます。
お彼岸には何をするの?
お彼岸の時期には親戚でお墓参りをしたり、おはぎをお供えして、いただいたりします。
こうした行事がなぜ行われているのでしょうか。
お彼岸にお墓参りをするのはなぜ?
お彼岸にお墓参りをすることについては、先ほど述べた春分の日・秋分の日に関係があります。
仏教の考えでは、仏様の住む世界である「彼岸」ははるか西に存在します。
それに対し、私たちの住む現世「此岸」は東に位置していることになります。
一年のうち、春分の日・秋分の日だけ太陽が真東から顔を出し、真西に沈んでいきます。そのため、「彼岸」と「此岸」がもっとも通じやすい、近くなる日と考えられています。
なので、お彼岸にご先祖様の供養をするため、お墓参りに行くようになったのです。
お彼岸におはぎを食べたり供えたりするのは?
お彼岸の時期に親戚で集まると、おばあちゃんやおばさんがおはぎを作って待っててくれた…そんな思い出のある人も多いでしょう。
なぜお彼岸におはぎを作ったり、供えたりするのでしょう。
その理由はおはぎに使われるあずき(小豆)にあります。
小豆の赤い色には、古くから邪気払いや魔除けの力があると信じられていました。
そのためお祝い事の日や儀式で、小豆を使った赤飯を作ったり、あんこでお餅を包んだりして神様・仏様にささげられていました。
お彼岸でも同じように、小豆を使っておはぎを作り、お仏壇や墓前にお供えした後、皆で食べて楽しむようになりました。
「おはぎ」と「ぼたもち」はどう違う?
お彼岸に食べるおはぎですが、「ぼたもち」と呼ぶこともありますよね。
おはぎとぼたもちはどう違うのでしょうか。
実はどちらも全く同じ作り方で、あんこでもち米を包んだものです。
古くはぼたもちは丸い形でこしあんを使い、、おはぎは俵型で粒あんを使うと違いがあったようですが、現在では「おはぎ」と「ぼたもち」の呼び名は、お供えする時期が、春のお彼岸か、秋のお彼岸かによって異なります。
春のお彼岸の時期には春の花である牡丹(ぼたん)に見立てた「ぼたもち」、秋のお彼岸では秋の七草のひとつである萩(はぎ)の花に小豆の形が似ていることから「おはぎ」を供えることとされていたのです。
お彼岸はいつからいつまで?まとめ
お彼岸がいつからいつまでか、お彼岸の由来や行事の意味についてまとめました。
お彼岸は春と秋、年2回あり、期間は春分の日・秋分の日を含む1週間。
3連休となる人も多いでしょうから、親戚で集まるのには都合のいい時期です。
2020年は感染対策で帰省するのが難しい人も多いかと思いますが、大切な行事はいつも忘れずにいたいですね。