10月になると街やお店がハロウィン装飾でにぎやかになりますね。
子供たちが仮装してお菓子をもらいに行くだけでなく、近年は渋谷など繁華街で大人も仮装して楽しむようになりました。
楽しくインスタ映えもするハロウィンの行事ですが、そもそもどんな由来があるのかご存知ですか?
今回はハロウィンのもともとの由来や、なぜ仮装したりかぼちゃを飾ったりするのか紹介します。
きちんと知って心行くまでハロウィンを楽しみましょう!
ハロウィンの由来:ハロウィンは何のためのお祭り?
ハロウィンはヨーロッパ発祥で、キリスト教のお祭りの一つです。
キリスト教では、「万聖節(ばんせいせつ)」という祝日があり、その前夜祭として行われるのがハロウィンの行事なのです。
万聖節には次のような意味があります。
・現世に里帰りする先祖の霊を迎える
・先祖の霊に混ざってやってくる悪霊をはらう
・秋の収穫を祝う
これらの風習は何かに似ていると思いませんか?
日本では「お盆」や「お彼岸」に先祖の霊を迎える行事をしますね。
同じ人間、地域が違っても考えることは似ているのですね。
現代では、万聖節の日は毎年11月1日で、ハロウィンは前夜祭ですので10月31日と定着しています。
正確には、10月31日から11月2日にかけてがハロウィンおよび万聖節の期間となっていて、キリスト教会では鎮魂の行事を行っています。
ハロウィンの由来:ハロウィンが始まったのはいつ、どこ?
ハロウィンの由来となったお祭りは「サウィン祭」といい、古代ケルト民族の宗教であるドルイド教で行われていたことがわかっています。
もともとはキリスト教のお祭りではなくケルト民族由来のお祭りだったんです。
古代ケルト民族は、中央アジアから馬車でヨーロッパへ渡ってきたといわれる民族で、栄えていたのは紀元前1500~400年ごろ、今から3000年以上前にまでさかのぼります。
古代のお祭りが現代もハロウィンとして残っているのです。人類史のロマンを感じます。
ハロウィンの由来:ハロウィンで仮装するのはなぜ?
古代ケルトの人々にとっての新年は11月1日で、10月31日が今でいう大晦日にあたります。新年の前夜にご先祖様の霊が家族のもとへ帰ってくると信じられていたのです。
しかし、帰ってくるご先祖様たちに混ざって悪霊までも現世にやってきてしまい、作物を枯らしたり子供を連れ去ったりと悪さをしました。
そこで、人々は「逆に悪霊どもをビビらせたろ!」と、仮面をかぶるなどして悪霊の仮装をしたんです。
悪霊を怖がらせて追い出したり、悪霊の仲間だと勘違いさせることで災いから逃れる意味があります。
これがハロウィンでの仮装の由来です。
この風習がやがてキリスト教の民族にも伝わり、現代では大人も子供も「仮装」自体を楽しむお祭りに変わっています。
もともと悪霊にふんする仮装をしていたので、現代でもお化けや怖いものをイメージする仮装が主流です。
可愛いお子さんの黒猫やドラキュラ、パーリーピーポーの本気のゾンビメイクや血まみれナースなどなど…。
また、ディズニーリゾートのハロウィンイベントのイメージから、ディズニーキャラクターや妖精などファンタジー系の仮装も人気ですね。
ハロウィンの由来:ハロウィンでかぼちゃを飾るのは?
ハロウィンのシンボルとして欠かせないのは、オレンジ色のかぼちゃ。
かぼちゃをくりぬいて目と口と鼻をつくった、ジャック・オー・ランタンですね。
100円ショップにはジャック・オー・ランタンの飾りがいくつも並んでおり、お花屋さんではハロウィン装飾用に栽培された本物のかぼちゃを購入することができます。
ジャック・オー・ランタンがなぜかぼちゃで作られるのか、という由来は、実はアメリカにあります。
ジャック・オー・ランタンはもともとカブ(蕪)で作られていたのですが、カブはアメリカではなじみのない作物で入手が困難でした。
一方、かぼちゃは収穫量が多く手に入りやすかったので、カブの代わりに使われるようになったのです。
また、かぼちゃのほうが丈夫で加工しやすいという利点や、近代のアメリカの勢いもあり、いまでは世界にかぼちゃのジャック・オー・ランタンが広まっています。
現代でもケルト民族の文化が色濃いアイルランドやスコットランドなどでは、カブのジャック・オー・ランタンが作られています。
ハロウィンでジャック・オー・ランタンを飾ることにより、ガイコツのような怖い見た目で悪霊を追い払う、魔除けの役割をします。
悪霊って怖がりなんですかね。
ちなみに、「ジャック・オー・ランタン」という名前はアイルランドの物語の登場人物に由来します。
「ジャック」はずる賢い男で、いつも悪さばかりしています。
あるハロウィンの夜に、ジャックは悪霊をだまして10年間自分の魂を取りに来るな!と約束させます。
10年後、その悪霊がまたジャックのもとにやってきましたが、またもジャックは悪霊をだまして「二度と自分の魂を取りに来るな!」と取引したのです。
やがて天寿を全うしたジャックは、悪いことばかりしていたので天国へ行けませんでした。
仕方なく地獄に向かうと、例の悪霊がジャックを待っていたのですが…
「生前の約束があるからお前の魂は取らない」と、地獄にすら入れてもらえなかったのです。
どこにも行けなくなってしまったジャックは、カブで作ったランタンに火をともして永遠にさまよい続けているのです。
悪霊もだますジャックのランタンがあれば、悪霊たちは嫌がって寄ってこないということですね。
ハロウィンの由来簡単解説まとめ
ハロウィンの行事や仮装、かぼちゃのジャックオーランタンを飾る由来についてまとめました。
昔話やおとぎ話のようなハロウィンの由来ですが、知れば知るほど面白くなってきますね。
お子さんにも是非お話ししてあげてくださいね。